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COLUMN
2023.04.25
テナントを借りる時にも超重要!不動産契約書のチェック事項
こんにちは!ミセギメジャーナルです。
飲食店やオフィス、倉庫などのテナントを借りる際に必要な不動産契約。みなさんは一言一句丁寧に目を通していますか?内容が重要だとは思っていても、なかなか細部をじっくり読んで、聞けてないのではないでしょうか。専門用語も多く、難しい言い回しで書かれた条項が何十もあって、決して読みやすいものではありませんよね…..
「一般的な内容なんで大丈夫ですよ。」とか「リーガルチェック済みなんで。」なんて言葉をいわれてしまうと、安心してしまい自分自身できちんと読む。ということから遠ざかってしまうのが現状ではないでしょうか。この記事では大事なのに疎かになりがちな『契約書』について、チェックしておいた方がいいことをまとめましたのでぜひご覧いただければと思います!
【ーこの記事の目次ー】
- *定期建物賃貸借契約とは
- ー定期建物賃貸借契約のメリット
- *保証金の償却とは
- *契約書に記載できないこともある
- *設備の修理は誰が行うか
- *原状回復(借主負担)について
- ー補足~退去時について~
- *まとめ
定期建物賃貸借契約とは
まず契約には「普通建物賃貸借契約」と「定期建物賃貸借契約」と呼ばれるものが存在します。トラブルになる可能性が高いのが、この定期建物賃貸借契約(以後、定借)です。定借というのは期間が定められた契約であるということです。「普通(一般的な)賃貸借でも期間が決められている」と認識されている方もいらっしゃると思いますが、定借は「更新」という概念がありません。なので、期間満了になれば退去しなくてはいけないのです。
そのまま続けて借りる場合は、「再契約」をしなければいけません。しかも再契約ができるかどうかも物件によっては分かりません。
ここで注意したいのが、営業マンの「再契約可の物件ですから大丈夫ですよ」というトーク。「再契約可」と言うのは、あなたが望めば再契約できるということではなく、「貸主・借主が合意したら再契約できます。」ということです。なので、この契約をきちんと理解して契約していないと後々トラブルになることは容易に想像できますよね。
◎定期建物賃貸借契約のメリット
①賃料が相場より安め
定借にすることによって借り手は不安になりますので、少しでも早く成約するため、賃料を相場より下げているケースが多いので、もしまずは短期で借りてみたい。売り上げを上げて店を大きくしたいなど目的があるのであれば定期建物賃貸借契約はおススメです。
②入居者同士の質がいいことが多い
普通建物賃貸借契約では、何かトラブルがあっても退去を求めるには相当な理由がないと難しく、手間もかかります。家賃滞納などトラブルがあった際にその借主に退去してもらいやすいのが定借。なので、テナントビルや商業施設で定借の場合は、入居者の質が良くなる傾向があります。
保証金の償却とは
「保証金100万円、解約時に償却20%」と契約書にあったとしましょう。これは、保証金100万円のうちの20%=20万円が解約時に償却されます(差し引かれます)、という意味です。
保証金の償却は、原状回復(借主負担)工事の対象とならない修繕などに充てるため、貸主が設定するものです。ただし、何かきちんとした決まりがあるわけではなく、「不動産業界の慣習」とご理解いただいたほうがいいと思います。
さて、この保証金ですが、実際の契約書の条項には以下のように入っている場合があります。
「保証金100万円、償却10% 更新時に償却。償却分を補填」
こちらは更新をする度に10万円が引かれるという契約です。初めの解約時に20%もあれば、このように更新ごとに10万円という契約もあるんです。更新時の2年ごとにかかるということは、24か月で割った固定費でもあるということを忘れないでください。このように保証金の償却について、物件ごとに、オーナーさんごとに変わります。ここはしっかりと確認しておきましょう!
契約書に記載できないこともある
店舗を借りる際に気になるのが「看板」。店の前に出していいのか、禁止なのか。禁止されている物件では一切禁止されていると説明を受けるでしょう。ただ暗黙の了解でとおっている店舗物件も多いのが現状です。そもそも敷地内ならある程度口頭でお話できますが、「道路」に看板を出していいか許可する権限は貸主も管理会社も持っていません。このように「契約書に記載できないこと」は、少なからずありますので、交渉をして言質を取る、ということが難しいこともあると頭に入れておきましょう。
設備の修理は誰が行うか
「えっ?この修理も私(借主)がするんですか?」というトラブルは結構でてきます。建物自体の設備は貸主がメンテナンスを、造作物は借主が行うのが一般的です。そのうえで、現状に合わせて特約などを設け調整をしていきます。一番重要なのはエアコンなどの空調設備です。
これが設備なのか、前入居者の残置物かによっても違います。残置物の場合は修理や処分まですべて借主負担が原則です。設備であっても日々のメンテナンスは借主負担ということも多く、メンテナンスの不備で故障した場合、修理は借主負担となることもあります。このように、設備の修理やメンテナンスについてはトラブルにならない為にも細かく確認してください。
確認事項は以下のようなものです。
・どのようなメンテナンスを年に何回行うのか
・メンテナンス履歴はあるか
・修理不可の場合には貸主負担で設備を新調してくれるか
上記の他にも設備には排気ダクトや雑排水汲み上げポンプ、自動ドア、専用で使用している共用部分の照明などがあります。何か決め事や暗黙の了解で進んでいるものがあれば、設備については特約を記載してもらうのが安心です。修理費用もかさみやすい設備については慎重にチェックしていきましょう!
原状回復(借主負担)について
契約期間とあわせて多いトラブルが、この「原状回復」です。契約の際には、「原状回復工事の業者指定」がされているかどうかをチェックしましょう。貸主が指定する業者のみの場合、工事費用が高くなってしまう可能性があるからです。
ただ、この問題は非常に難しく、原状回復費用を安く済ませるため、安価で粗悪な業者に施工をさせてしまう借主もいます。そうなると、貸主とって「元通り=原状回復」になっていないので、自ら施工をやり直し、借主に請求するというトラブルに発展してしまうのです。こちらもトラブルにならない為にも細かくやりとり、確認をしてください。
確認事項は以下のようなものです。
・原状回復とはどの状態までもっていくことか
・業者の指定は変更できるか
・他業者と価格差が大きい場合はどうすればいいのか
原状回復費用まで確認することはほぼ不可能ですが、上記のように事前に確認できることはいくつかありますので、こちらの確認も忘れずに行いましょう。
◎補足~退去時について~
原状回復について、どの業者にお願いする場合でも、実際の施工内容を貸主や管理会社に確認してもらい、「確認した」という書面でのやり取りをおすすめします。施工後にやり直しを命じられる可能性を事前に防ぐためにも「書面」で残しておきます。施工内容の時点で難色を示した場合は、「どのような工事であれば原状回復となるのか」を相手から出してもらい、それに沿った施工見積を業者にお願いしましょう。
また、原状回復とは別に共用部分の看板(案内板)や消防設備工事などは工事業者が指定されている場合が多いです。こちらはビル全体の景観や安全に関わってくるので、指定された工事業者にお願いしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少し難しいテナント契約の契約書ですが、書かれている内容はどれをとっても大事なものです。大事だからといってあれもこれも、と完璧を目指す必要はありません。契約書の内容に「納得」できない部分が一部あったとしても、その内容を「理解」できていればまずは十分です。
飲食店を開業するにあたって、それらを理解したうえで、利益が出せる物件かどうかを見定め、長く安定した経営ができることが大切ですね!
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